今年こそは
絶対言えると思っていた
去年は
言いたくても
言えなかった
だから
この日を
とても楽しみにしていた
急かしているわけじゃない
無理ならそれでもいいと
思っていた
でも
いまのわたしたちなら
大丈夫
そんな確信に
近いものを
感じていた
この日に
姿を目にすること
視線を交わすこと
もちろん
全部嬉しい
でもそれ以上に
この想いを
伝えられること
「おめでとう」
この言葉を
伝えられることが
何よりの喜び
だってそれは
相手の大切な日を
一緒にお祝いできる
ということだから
誕生日は
自分だけが嬉しい日じゃない
お祝いする人も嬉しい日
自分の大切な人の
大切な日
なんだもの
だから
その機会を
もらえなかったこと
その事実に
わたしは
涙がこぼれた
どうしてだろう
すごく胸が痛い
悲しい気持ちが
溢れてくる
理解はしてる
相手がとても
慎重な性格だということも
ひとつずつしか
段階を踏めないことも
すごく頑張って
前に進んでいることも
ぜんぶ
分かってる
分かっているからこそ
この気持ちが何なのか
すぐには
分からなかった
進まないことへの
苛立ちなのか
焦りなのか
「また」期待して
しまったのか
色々考えた
きっと全部ある
けれど
その真ん中にあるのは
強い
「悲しい」気持ちだった
人それぞれペースがあるから
自分のタイミングで
動いたらいい
そう思っていた
でも
「今日」だけは
違うのではないか
「今日」は
これまでと同じでは
いけなかった
もし相手が
自分の誕生日のことを
「自分のことだから」と
遠慮して
低く見ていたのだとしたら
それが
間違っている
自分の大切な日を
後ろに置くこと
それは
自分自身を
何かの後ろに
置いているのと
同じこと
誕生日は
祝われる日でもあるけれど
同時に
「受け取ることを許す日」
でもある
控えめでいることは
美徳かもしれない
でもそれは
わたしに対して
閉じていることにもなる
わたしは
大切な日を
「共有」させて
もらえなかった
わたしは
お祝いしたかった
そのつもりで
今日はあの場にいた
この日のために
準備もしてきた
構想だけなら
去年から考えていた
伝えたい言葉も
渡したいものもあった
相手の大切な日を
最高の一日に
できればと
今のわたしにできる
わたしらしいプレゼントを
贈りたかった
でも
わたしのその気持ちは
「なかったもの」にされた
そのつもりは
なかったとしても
そうしていた
はっきり
分かってしまった
わたしはまだ
相手の世界に
入れてもらえていなかった
ということに

たしかに
あの時
自然に視線を交わせた
あの瞬間は
本物
わたしもずっと
心待ちにしていた
あなたの中で
あれが
自分への贈り物
だというのなら
それは
自己完結の世界
そこにわたしは
いない
これまでのことは
わたしの勘違い
勝手な妄想だったのかもしれない
だからここで
聞いてみたい
「わたしのこと
ちゃんと見えてるの?」って
状況や空気
動きから
あなたの気持ちを
「察する」ことはできる
でもわたしは
「まだ」
何も聞いていない
一度も
言葉で
何かを伝えられたことがない
これは
以前と同じ
曖昧さで成り立った
関係じゃないのか
わたしは
それは嫌だと
何度も伝えてきた
いい加減
「言葉」で
やりとりがしたい
そう伝えてから
どれくらい経ったのか
頑張っていること
怖さがあること
全部分かっている
けれど
肝心な部分が
抜け落ちている
あなたはいま
「どこに向かって」
走っているのか
あなたは
また
わたしの存在を
透明にしようとしている
わたしが
伝えてきた言葉から
わたしが
絶対に離れないと
安心してくれているのなら
それは嬉しい
でも
受け取るだけじゃ
いけないの
ちゃんと
返さないと
それもずっと
言ってきた
でないと
ここで
ずっと手を広げている
わたしのことを
否定していることになる
わたしが作った
安全圏の中から出られないのが
甘さなのか
怖さなのかは分からない
でもそれを
ずっと受け止め続ける必要は
わたしにもない
わたしにも
ペースがある
限界がある
関係として
一番大切なこと
言葉を交わすこと
共有すること
ここに来れないのなら
わたしはあなたにとって
「必要のない存在」
ということになる
心の中で
どれだけ想っていても
自分の言葉で
外に置かないと
その想いは
存在したことにならない
わたしとの関係が
成立していないどころか
自分自身をも
存在させていないことになる
もう
その自分を
終わりにしないといけない
わたしは
今日
深く傷ついた
まさか
この日が
こんな結果になるなんて
思いもしなかった
今日こそは
頑張るべき日だった
正直
もう厳しいかもしれない
わたしのことを
まだこれからも
「いない存在」にするのなら
ここで
身を引きたい
これ以上
傷つくのは
嫌だから
深く傷つけられるのなら
わたしは離れる
一方通行は
わたしを
孤独にさせる
関係は
一人では
作れない
だから
この形を
終わりにしたい
「自分のことを大切にすること」
それは
自分だけじゃなくて
自分の大切な人も
大事にしていることになる
自分の誕生日は
価値のある
とても大切な日なのだと
自分で
認めてあげること
そうすれば
心からお祝いしたいと
思っていた人間が
ここに
存在していたことに
きっと
気づけるから
それが
最高のGift

