あるときから
ファントムの映像が
流れていた
クリスティーヌの歌声に
心動かされて
自分の素顔を見せようと
仮面を外すエリック
この場面が
何度もわたしの中で
繰り返されていた
エリックが
自分と重なった
「本当の自分の姿」
そのわたしは
どんな姿なのか
わたしが
本当に求めていることは
一体何なのか
わたしは
何を創りたいのか
エリックは
地下で生きてきた
誰にも見られないよう
触れられないように
けれど
彼は
自分を見せたかった
本当の
自分の姿を
誰かに
見てもらいたかった
どうして
舞台の光に
心動かされていたのか
わたしは
自分自身を
見てもらいたかった
何を描くのか
ずっと
見つけられなかった
それを
ようやく
見つけることができた
それは
自分で創り出した
物語を書くことでも
既存の作品を土台に
何かを創ることでもなかった
自分の光を
ついに見つけた

ずっと
自分を小さくして
押し殺して生きてきた
本当は
何かに
隠れたりしないで
堂々と
自分の光を出して
輝きたかった
それができなくて
何度も
何度も
苦しい思いをしてきた
自分の居場所を
求め続けてきた
それもぜんぶ
いま
ここから
始めるためだった
わたしが
自分の光を
輝かせるには
あの葛藤の数々が
必要だった
あのころは
舞台芸術以外の形が
見つけられなかった
でもいまは違う
時は流れた
総合芸術は
舞台以外でも作れる
「わたしは
わたしの美術館をつくる」
やっと、見つけた

