
一歩を踏み出す
決意をした
ひとりで
進むことに決めた
何度も
自分と話し合った
たくさん考えた
本当に
何度も
何度も
でも
どれだけ考えても
答えは
同じだった
わたしが
ここに留まることは
自分に
嘘をつくことになる
わたしは
もう
誰かに合わせるのを
やめた
自分を
差し出さない
自分を
犠牲にしないって
そう
決めたから
だから
前に進みたいのに
そうしないのは
相手に
合わせていることになる
それは
自分で
自分の価値を
下げることになる
だから
やっぱり
たどり着くところは同じ
もう
止める理由もなかった
でも
一歩進むとね
自分の中に
疑問が湧いてきた
決める前も
うっすら
出ていたけど
踏み出した後は
はっきり
出てきていた
「わたしは
こんなに冷たい人間だったの?」
「信じるって
決めたんじゃなかった?」
「これは
自分を裏切ったことに
なるんじゃないの?」
「わたしは
あきらめたの?」
心は軽く
身体も静かで
欠けた感覚は
どこにもなかった
むしろ
わたしの真ん中には
確かなものがあった
満たされている
不足感がない
どうしてだろう
そして
気付いた
踏み出したことで
わたしの中に残っていた
最後のブレーキが
外れた
それは
「周りを気にせず
自分を表現する勇気」
薄い膜が
一枚
残っていただけだった
自分では
気づいていなかったけれど
あの沈黙が
その膜を
静かに破った
自分の意思で
踏み出せるように
わたしは
ずっと
自由を求めていた
わたしは
自分で
自分を選べる
「生き方の自由」を
手にした
誰にも
何にも
縛られない
わたしらしく
在るために
自分が
どんな人間で
在りたいのか
どんな生き方を
したいのか
それが
はっきりと
見えた
わたしは
「表現の世界で生きていく」
だから
自分の美学を
汚すことはしない
自分の「美」を
追い続ける
命が尽きる
その日まで
20才のとき
20年後の
自分に会うのを
とても
楽しみにしていた
想像通りの
自分になっているか
何に情熱を
傾けているのか
探していたものに
出会っているのか
いまから
10年後
20年後
どんな
おばあちゃんに
なっているのか
またひとつ
楽しみができた
命が
続く限り
自分の情熱を
燃やし続けたい
そんな
熱くて
人間らしい
生き方をしたい
自分の価値を
下げることは
自分の作品の価値を
下げること
「自分」
という人間を
表現するためには
周りに左右されず
「すべて」を
さらけ出す覚悟がいる
これが
わたしに
残っていた
最後のブレーキ
あの沈黙のおかげで
その扉は開いた
その先に見えた世界
わたしの「生き方」
わたしという人間の「在り方」
それが
わたしの「美学」だった
