「境界線」

いま わたしは

転換点に立っている

何かが変わるときって

派手な出来事が

起こるわけじゃない

決裂も

告白も

決断もない

静かに

気づいたら

立っている

あるのは

静かな納得

そして少しの空白

わたしは今

その真ん中に

立っている

涙は出ても

胸は痛くない

心も

揺れていない

ただ

見えてしまった事実を

受け入れるための涙

だから

迷いもない

すべて

見えてしまったから

自分がいま

どこに

立っているのかを

静かに

涙と一緒に

これまでの自分を

流している

昨日までは

なかった

でも今

確かに立っている

自分の位置が

変わったのが分かる

もう

限界だった

今ある場所で

これまでのように

留まることが

その段階を

越えてしまったの

だから

あの場では

向き合えなかった

自分が

崩れてしまうのが

分かったから

あれが

限界だった

わたしは

次へ進む準備ができた

だから

もうこれまでと

同じ立ち方ができないことに

気づいてしまった

もう

戻れない

でもまだ

踏み出していない

どちらにも

属していない

その場所にいる

踏み出せば

これまでの自分には

戻れない

でも

戻るという

選択肢はない

だから

踏み出す覚悟を

決めている段階

ここが定まったら

わたしは

もうここには戻らない

たとえひとりでも

進んでいく

わたしたちは

いま境界線の上に

立っている

ここに立てる人は

多くないかもしれない

戻ったり

誤魔化したり

名前をつけて

納得させたりして

境界線そのものを

避けてしまうから

でも わたしは今

確かに立っている

境界線は

誰かに

見せるものじゃない

それは 自分が

もう噓をつけなくなった

場所だから

だから境界線は

越えるために

あるんじゃない

今までを

終わらせるためにあるんだ

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