“もっと
違う形で
出会いたかった”
それは
わたしが
ずっと
感じて
いたこと
男女として
ではなく
同志や
ライバルとして
出会って
いたら
わたしたちは
きっと
切磋琢磨できる
関係を
築けたんじゃないか
そう
思っていた
なぜ
あれほど
危うい
苦しい関係
だったのに
お互い
離れることが
できなかったのか
相手は
“安心”
“母性的な
居場所”
を求めていた
でも
相手は
“美を
つくる人”
だった
だから
刺激としての
“美”に
強く
反応する
安心できる存在
刺激する存在
別の役割である
この矛盾を
認めることが
できなかった
そして
それを
わたしに
両方求めて
しまった
そんな気が
している
きっと
わたしは
刺激する
存在だった
おそらく
相手にとって
わたしは
素材であり
鏡であり
可能性の
象徴だった
わたしを
形づくる
ことは
わたしを
輝かせること
ではなく
相手自身が
自分を
信じるためのもの
だったと思う
わたしが
相手の手に
よって
本来の輝きを
出すことが
できていれば
でも
そうは
ならなかった
自分を
抑え込んで
耐えている
わたしの姿は
相手の姿
そのもの
だったのだと思う
わたしは
相手の中に
“本気”を
感じていた
“上にあがりたい”
“自分の可能性を
もっと試したい”
自分を
解放して
エネルギーを
ぶつけたいのに
それが
できなくて
必死に
もがいていた
わたしは
その姿に
惹かれていた
だから
離れられ
なかった
わたしから
離れたら
相手が
壊れるのも
分かって
いたから
わたしたちは
互いに
“火種”を
持っていた
まだ
自分の
人生の中で
燃やしきれて
いない”火”
“創作する
人間の火”
それに
共鳴していた
相手の感性を
たしかに
尊敬していた
でも
わたしも
同じ種類の
人間だった
相手が
殻を破れ
なくて
苦しんで
いる姿は
そのまま
わたし自身
のことを
映し出していた
あの頃の
わたしは
自分の
エネルギーを
どこに
向けていいのか
分からず
結果として
相手に
重ねていた
迷いや
不安の中
ただ
走るしか
なかった
“舞台の世界へ
いきたい”
この
気持ちに
間違いはない
はずなのに
なぜか
まっすぐ
向かうことが
できない
そんな現状と
葛藤して
焦りを
火に
してしまった
そして
相手の
一つのことを
極めている姿
その姿は
当時の自分が
何よりも
望んでいた
姿だった
だから
目が
逸らせなかった
お互いに
相手を通して
自分の中の
火を
感じていた
互いが互いの
点火装置
だった
だから
どれだけ
苦しくても
逃げられ
なかった
でも
同じ火を
映す人とは
一緒に
生きられない
相手が
燃料に
なって
しまうから
火は
照らす場所
であって
住む場所
ではないから
わたしたちの
火種は
“発火できる場所”を
求めていた
だから
わたしたちは
お互いに
自分を
差し出し合って
消耗し
合っていた
本能を
ぶつけあい
ながら
着火点を
探し続けていた

