「ふたつの前提」

わたしには

「結婚願望」がなかった

まだ

年齢も若く

その姿を

想像したこともなかった

わたしは

「舞台芸術」の世界に

いきたかった

ずっと

それを目指して

走ってきていた

だから結婚とは

一生

縁がないかもしれない

とも思っていた

でも

なんの問題も

なかった

それくらい

わたしの

人生の選択肢の中に

入って

いなかった

「これ」が

あの

歪んだ関係を生み出した

根源だった

「個性のある子が好き」

はじめは

わたしが

学んでいること

芸術に関することに

共感してくれていた

相手も

感性を必要とする

仕事をしているから

なんとなく

理解してくれたような

気がしていた

でもそれは

大きな

思い違いだった

「学ぶこと」

「趣味ですること」

これは

問題ないけれど

「その世界で生きていく」ことは

相手の

許容範囲内ではなかった

なぜなら

自分のことを

支えてもらえなくなるから

相手の中での

夢とは

「未知の世界に

 挑戦するもの」

ではなく

「職業として

 確立されているもの」

に就職することだった

だから

保証も

安定感もない

芸術関係の

仕事は

相手の世界には

存在して

いなかった

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