「孤独の条件」

その人たちから

出ている空気は

中学生の頃

クラスメイトたちが

出していた空気と

同じだった

自分たちと違うものを

孤立させようとする空気

別に

その輪に

入りたいわけじゃない

正直言って

それはごめんだ

ただ

多い方が正しくて

一人は間違いのように

見せられる空気

群れの中にいる人たちは

だいたい

同じような

顔をしている

誰かがそばにいる時は

強気だけれど

一人になると

途端に

目が泳ぎ出す

目をつけた時の

団結力と

トーンが上がる声

一度

自分の顔を

鏡で見てみればいいのに

いつも

そう思っていた

中学生のとき

仲の良かった友人は

わたし以上に

一人で立っている子だった

だから

常に一緒に

いるわけじゃない

お互い

自由に動いて

自然に合うときに

一緒にいる

そんな関係だった

その子は

外見も雰囲気も

大人びていたから

とても

目立っていた

だから

その子を悪く言う声が

よく耳に入ってきていた

でも

その子は

「そんなの

 勝手に言わせておけばいいよ」

いま思うと

あの静けさは

中学生のものじゃなかった

でも

わたしも

相手にしていなかった

それが

なぜなのか

当時は分からなかったけど

その理由が

今なら分かる

高校生になっても

目をつけられたことがあった

ただ

中学生のときと違うのは

相手も

一人だったこと

わたしに

敵意を向けてきた

その人と同じように

はじめは

仲が良かった

でも

ある時を境に

急に態度が変わった

本当に

いつも

突然起こる

分かりやすい

嫌がらせだった

ほかのクラスメイトが

見ていても関係ない

「堂々」と

わたしに

ぶつけてきた

しばらく耐えて

状況が理解できると

わたしは

その子に

「堂々」と聞きに行った

「わたし

 何かしたの?」

わたしが

言い返してくるとは

思っていなかったのか

そこから

嫌がらせはなくなった

「あとで話す」と

言ってくれたけど

未だに理由は

分からないまま

でも

数か月後

その子に

遊びに誘われた

二人で

長い時間

電車に揺られて

少し遠くの地に

散策に行った

あれが

その子からの

謝罪だったと

思っている

お互い

たぶん似ていた

その子は

誰かとの輪の中にいるけれど

わたしには

一人に見えていた

不思議な子だった

だから

周りと違っていても

気にせず

一人でいるわたしが

気になったのかもしれない

本当は

自分も一人であることを

わたしが

映し出してしまった

今になって

そんな気がしている

でないと

「一人」で

わたしに

攻撃はできないと思うから

わたしは

無意識に判断していた

集団の中からじゃないと

自分を出せない人は

相手にしない

でも

一人で向かってくる人には

正面から受けて立つ

同じ

「嫌がらせ」でも

中身は全然違う

自分が

「同等」だと

認めた相手にだけ

わたしは反応する

それは

今もむかしも

なにひとつ

変わっていなかった

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