「それぞれの幸せのかたち」

わたしたちは

最初から

離ればなれだった

振り返ると

面白いくらいに

一緒になって

何年も経つのに

一緒に

過ごした時間は

ほんのわずか

こんなに

長い年月が

経ったのに

わたしは

あなたのことを

よく

知らない

きっと

あなたも

そうだよね?

お互い

知らないまま

ここまで来てしまった

出会ってから

本当に

すぐに

一緒になってしまったから

そこから

すでに歯車が

噛み合っていなかったのかもしれない

ずっと

そのズレを

直せないまま

過ごしてきてしまった

でもね

もしかすると

嚙み合っていないんじゃなくて

最初から

噛み合う位置に

いなかったのかもしれない

それぞれが

離れた位置で

歯車を

回し続けていた

一人だったのは

わたしだけじゃないから

あなたも

同じ

二人ともが

ずっと

一人で

孤独に耐えてきた

あなたに

出会った意味を

いつも

考えていた

どうして

こんなに

うまく合わないのか

いつも

見事なまでに

すれ違っていた

こんなに

きれいなタイミング

あるのかなって

わたしたちには

「普通」は

ひとつも当てはまらない

そんな

形だった

それでも

時間が経つ中で

自然と

交わるときがくるって

そう

思ってた

でも

だんだんと

わたしの心が

曇り始めた

あなたに

「守られている」

はずなのに

息苦しくて

身体が

悲鳴をあげ始めていた

気が付くと

わたしのまわりは

高い壁で

囲われていた

その

壁の中で

「安全に守られていた」

はずなのに

はじめて

そこから

一歩も動いていない自分に

気付いてしまった

あなたは

本当のわたしの姿を

知らないから

どれだけ

好奇心が旺盛で

叶えたい夢があって

創ることが

わたしの生きがいで

ひとに

レールを与えられることが

いちばん

嫌いだってこと

あなたは

きっと

知らないと思う

誰かに守られて

用意された箱の中で

大人しく

生きられるような

人間じゃないんだ

だから

あなたと

わたしが

対等じゃないって

気付いた時

とても

ショックだった

本当に

苦しかった

だって

気づいてしまったら

もう

元には戻れない

隣り合わせで

回っていた歯車

止まりかけていた

わたしの歯車が

その瞬間から

勢いよく

回り始めた

あなたが

わたしから

離れていたことで

わたしは

ひとりで立つ力を

つけることができた

その

役回りを

あなたが

引き受けてくれていたんだって

いま

そう思うの

わたしが

ここに辿り着けるように

その土台を

離れたところから

作ってくれていた

わたしは

あなたに

何も

与えられなかったかもしれない

でも

わたしは

十分すぎるくらい

たくさんのものを

与えてもらった

もう

二人で

同じ景色を

みることはないけれど

それぞれの

すすむ道は

もう

苦しいものじゃ

ないと思う

ここまで

二人とも

たくさん

頑張ってきた

きっと

それぞれが

描いていた

幸せのかたちが

そこに

あるはずだから

幸せを

心から願ってる

本当に

感謝しかないよ

今まで

ありがとう

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