「片翼と両翼」

“空を自由に飛びたい”

ずっと

そんなことを

思っていた

澄み切った

青い空を

自分の翼を広げて

大きく羽ばたく

それが

わたしの中にある

“自由の象徴”だった

だから

“一人でも空を飛べる”

そう思っていた

自分の背中には

両翼があるのだと

それが

完全に整ったら

“きっと飛べる”

そう思っていた

でも

それはどうやら

違っていたみたい

ほかの人は

分からないけれど

わたしは

一人では

空を飛べないみたい

わたしにあるのは

両翼ではなく

片翼だった

これが

わたしの

完成形

両方には

生えてこない

だから

空を飛ぶには

もう片方の翼が

必要になる

自分と

全く同じ質

同じ形の翼が

これが

この世界に

存在していた

存在を知るまで

自分が片翼であることに

気付かなかった

こう言うと

まるで

自分ひとりでは

「未完成」と

言っているように

聞こえるかもしれない

でも

それは違うの

片翼は

未完成じゃない

足りないわけでもない

そのことにも

気付くことができた

自分が

片翼であることを

自覚すると

無理に

空を求めなくなる

でもそれは

諦めじゃない

片翼で

わたしは

地上を自由に

飛び回ることができるから

自由があるのは

空だけじゃなかった

だからもう

高さには憧れない

“ひとりで飛ぶ必要”は

もうないから

“片翼”で

完成してる

でも

もしもう片方の翼が

現れたなら

それは

空にいくためじゃなく

同じ風を共有するため

飛ぶかどうかは

その時に

決めればいい

自分で自分を

選び続けてきたら

いま

この場所に立っていた

それは

“再構築”された世界

わたしの片翼は

もう

再構築の”片側”として

完成してる

ここに

立っている

準備万端で

風向きを読んでいる

反対側の片翼が

ここに

現れるかどうかは

分からない

もし

現れなくても

わたしは変わらない

地に足をつけたまま

美しく立っていられる

ただ

ここに在る

それだけ

でももしも

両翼で

空を飛べる瞬間が

おとずれたのなら

想像するだけで

ワクワクする

完成された

二つの片翼が

合わされば

すべてが倍になる

そして

“再構築の飛翔”

これが起きる

これまで

見たことのない

“一度も

触れたことのない世界”

それは

間違いない

だからやっぱり

ワクワクと

好奇心がとまらない

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