「出なかった言葉」

決めつけられることが

大嫌いだった

「女の子だから

 そんなに頑張らなくていい」

「そのうち結婚して

 家庭に入るから」

○○だから

こうあるべき

普通は

こうだよね

この言葉が

本当に嫌いだった

やっても無駄だと

決めつけられているようで

まだ

何もしていないのに

「夢を見るのは自由だからね」

そう

言いながら

自分の人生設計の中に

わたしを

勝手に組み込む

まるで

わたしがそうすることが

当然かのように

「わたしには夢がある」

そう

伝えたはずなのに

なかったものにされている

わたしは

誰かの人生のレールを

歩くべきだって

勝手に

決められている

若かったわたしは

反発することが

できなかった

わたしが

嫌だと言うと

機嫌が

悪くなる

「夢と自分たち

 どっちが大事なの?」

そう言われるのが

目に見えていた

だから

抵抗することが

できなかった

わたしが

意思を見せても

きっと

聞いてもらえない

責められて

無理やり

選ばされる

怖くて

仕方なかった

自分の本音を

言葉にすることが

どうして

怒られるのかが

全く

分からなかった

それは

相手が変わっても

同じだった

安定した環境から

抜け出すことにした

もう一度

自分の熱を追い求めようと

決めたから

表面では

応援してくれているように見えた

でもそれは

今の状態を

崩さない範囲でなら

この

暗黙の条件が

ある中でだった

それを越えると

表情も言葉も

穏やかではなくなる

「やりたいことができる環境を

 与えたはずだけど」

好きなことをしていいから

与えたレールから外れないで

そう

言われている気がした

そういう環境で

生きたい人もいると思う

ただ

わたしには

当てはまらなかった

でも

自分に自信がなかったから

わたしも言えなかった

心では抵抗しながら

流されていた

いつも

自分の夢が

大したことない

どうでもいいもののように

扱われている気がして

悲しかった

でも

同時に

悔しさもあった

なぜ

叶えられないって

はじめから

決めつけられないといけないのか

なぜ

わたしが

夢に向かって動くことを

反対されないといけないのか

自分の気持ちを

言葉にできなくて

長いあいだ

抑圧された中で

生きてきた

でも

この時間があったから

今のわたしがある

きっと

順調に進んでいたら

この

エネルギーは

生まれてこなかった

逆境の中に

いたからこそ

わたしの熱は

大きく

育つことができた

だから

あの悲しさも

あの悔しさも

全部

無駄じゃなかったんだ

すべては

いま

このときのため

ここに

つながっていた

目次