「三人のわたし」

三人の

“わたし”がいた

それぞれ

必要になった時に

交替で出てくるの

傷ついて

泣いて

心が壊れそうになって

苦しんでいるわたし

でもね

家に帰ると

そのわたしは

いつの間にか

姿を隠してる

代わりに

明るくてしっかり者の

お姉ちゃんのわたしが

そこにいる

何事も

なかったかのように

ついさっきまで

胸が痛くて

張り裂けそうだったけど

そのわたしも

痛みも

そこにはない

一人になると

また別のわたしが

姿を現す

何もしない

何も考えない

ただ

無音の中に

いるだけのわたし

そのわたしが

出てるとき

これまでのことが

すべて

夢だったんじゃないかって

誰かの書いた

脚本で

演じさせられている

虚構の世界だったんじゃないかって

そんな風に

思ってた

でも

夢じゃないし

虚構でもないし

紛れもない現実

わたしの心が

壊れてしまわないように

三人のわたしが

力を合わせて

“わたし”を守ってた

いつも

どれが本当のわたしなのか

分からなくなってた

でも

今ならわかるよ

全部、全部

三人とも

本当の”わたし”

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