「後ろ姿の美学」

「背中で人生を語る」

舞台芸術が

好きだったこともあって

むかしから

ひとの

歩き方や立ち方

手の動きなどの

仕草

そして

背中を見るのが

とても

好きだった

「興味があった」

という方が

正しいかもしれない

舞台でも

現実でも

肩の角度や

頭の位置

足の置き方

それが

計算されたものでも

自然に

出ているものでも

わたしの心が

「美しい」

と感じるのであれば

どちらでも

好きだった

とくに背中は

その人の

人生観が表れると

思っている

そのひとの

「在り方」が

すべて

映し出される

そう

感じている

だからこそ

強い魅力を

感じる

何かに

揺れているのか

迷いを

抱えているのか

それとも

もう

定まっているのか

その人の

人間性も含めて

そういった

目に見えない部分を

「語る場所」

それが

「背中に在る」

と思っている

その背中が

「変わった」

と感じる

瞬間があった

重心が下がり

安定感が出た

まだ

揺れの中に

いるのかもしれない

でも

その揺れを

抱えながら

自分一人で

立っている

その姿

周りに

紛れていない

ただ

「通り抜けている」

自分の輪郭を

溶かしたりせず

その形を

綺麗に

保っていた

それは

自分の人生を

自分で

「引き受けた人」の姿

いまも

その渦中に

いるのかもしれない

誰にも寄れない

孤独と

戦っているの

かもしれない

でも

その

後ろ姿からは

自分を

引き受けた人にしか

出せない

あの

静けさがあった

わたしは

「更新された」

世界を

この目で

見たのだと思う

世界を

更新するには

たった

一度や二度の

試みでは

変えられない

一瞬たりとも

気を抜かずに

そこに

立ち続けない限り

絶対に

変えられない

わたしは

それを

知っている

だからこそ

あの光景

スピードの速さ

そのすごさを

誰よりも

分かっている

つもりだ

自分の覚悟を

引き受け続けた

その結果

それを

あの背中が

すべてを

物語っていた

まだ

完成形までは

道のりが

あるかもしれない

でも

迷いと孤独を

抱えながらも

そこに「在る」

その姿を

わたしは

心から

「美しいな」

と感じた

そして

静かな

自信が見える

その背中の

「在り方」

これまで

見てきた中で

最高に

「カッコいい」

瞬間だった

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