
余分なものが
削ぎ落されて
残ったもの
それが
目の前に
並んでいた
ずっと わたしの中に
あり続けた存在たち
自分の美学
自分の生き方
そして情熱
それらと一緒に
“それ”は
そこにあった
ここまで来るのに
背負っていた
たくさんのものを
下ろしてきた
もう 自分の中に
取り残したものは
何もないと思っていた
それなのに まだ
見えてこなかった存在
突然 目の前に
現れたように感じた
“それ”は
見えなかったわけでも
急に姿を
現したわけでも
なかった
ずっと
そこにあった
これまでも
ただ
形が変わった
もしかしたら
幻だったんじゃないか
自分の願望が
作り出した
妄想だったんじゃないか
そんな風に
考えてしまうほど
儚くて 繊細
触れたら
消えて無くなって
しまいそうな
霧のようなもの
わたしは
形のない”それ”を
大切に 大切に
壊さないように
失わないように
大事に温めて
育ててきた
“それ”に輪郭を
もたせること
名前を
つけること
以前のわたしには
それができなかった
形あるものに
してしまうと
受け止めることが
できないと
当時のわたしは
無意識で分かって
いたのだと思う
でも 絶対に
失くさない
奪わせない
手放したりしない
何があっても
守り続ける
きっと 自分に
そう誓って
いたのだと思う
“それ”を失うことは
自分を失うことに
なるような気が
していたから
誰の目にも
触れさせず
ただ 自分の中で
輝きを失くさないよう
保ち続けていた
本当は
“それ”と正面から
向き合って
自分に正直に
なりたかった
でもそうするには
まだ わたしの器が
出来上がっていなかった
“それ”は
感情に任せて
勢いで
何とかなるような
単純なものではないから
受け入れるには
自分の生き方
在り方が整わないと
迎え入れられない
中途半端な状態じゃ
きっと 光を
汚してしまう
自分が誇れる
自分になる
そこに辿り着いて
はじめて
受け入れることができる
先に扉を
開けておくことも
できたかもしれない
自分のことと
同時進行で
進めることも
やろうと思えば
できたと思う
でも わたしの中で
その流れは
美しくなかった
まずは 自分自身
ひとりで、美しく
しなやかに立つこと
それが
わたしの美学
渦中にいる時は
分かって
いなかったけれど
一度は”それ”を
完全に手放したと
思っていた
でも わたしは
手放していなかった
足りない部分が
あったのではなく
ただ 整って
いなかっただけだった
それを完成させるために
わたしは
あの選択をしたのだと
その先にあるものが
わたしを 静かに
待っていてくれたから
今ようやく
答え合わせができた
わたしの中に
ずっとあった”それ”が
“愛”が ようやく
輪郭を持つことができた
自立した”愛”が
わたしの中で
立っている
大切にしてきた
自分の感情に
安心できる居場所を
与えることができた
その”愛”は
わたしの人生の中に
きちんと存在している
形ある存在になっても
一緒に生きていける
だから この”愛”は
永遠になくならない
誰にも奪えない
わたしの中で
静かに
輝き続ける
