毎回新しい発見があると
わたしはそれを
相手に伝えていた
誰かと
「共有」したい欲求が
生まれていた
それに対して
意見を交わし合うわけじゃない
ただ
「聞いてくれる」ことが
わたしにとって
大きかった
それだけで
深く満たされるものがあった
この時間は
長くは続かなかった
わたしの中に
ピースが全部そろった
ちょうどそのころだった
ここからは
少しずつ距離ができていく
あるとき
相手に
「背中」を向けられたことがあった
あれが
始まりだった
いつもなら
そんなに反応しない
でもあの日は違った
心がざわつく
何かが
奥底から上がってくる
冷静に
目の前に起こったことを
整理しようとしたけれど
できなかった
あんなに感情的になるのは
久しぶりだった
ただ
背中を向けられた「だけ」なのに
嫌な予感がした
これは
触れてはいけないものだ
直感で分かった
「拒絶」という言葉が
頭をよぎる
せきを切ったように
涙が溢れ出る
止まらない
嗚咽するくらい
何時間も泣いた
あの背中から
過去の否定された自分が
蘇った
理解されなくて
言いたくても言葉が出なかった
心の中で泣いていた
あの頃の自分
胸が張り裂けそうだった
自分がいらないもののように思えて
傷ついていたあの頃
背中を向けるその人たちを見つめる
「自分の背中」が
わたしの目に映っていた
「わたしの背中が見える」
一日では終わらなかった
数日
同じことを繰り返した
泣きすぎて
目が腫れている
でもおかまいなしに
波が押し寄せてくる
痛すぎて
逃げ出したくなった
「もう無理だ」
こんなに苦しいなら
もう二度と会えない
これ以上
自分を見るのは怖い
ごめんなさい
わたしにはもうできない
相手に刺激されて
自分の奥を照らされることを
恐れた
数日かけて
落ち着きを取り戻した
このあと
相手にも
順番にその波が来ていたのだと思う
わたしは
相手の行動が
「わざと」だと
わかっていた
それをきっかけに
過去の記憶がよみがえったけれど
同時に
相手の行動に怒りを感じていた
「それは人としてどうなのか」

できないのなら
はじめから返事をしなければいい
無理になったのなら
そう言ってくれたらいい
ただそれだけのことなのに
なぜできないのか
まるでわたしの存在が
「どうでもいいもの」のように
扱われた気がした
過去の人たちと
同じように
それが
わたしの怒りに触れた
相手の行動の意味は
わかっていた
それでも
抑えることができなかった
言葉でぶつけることはしない
でもわたしにしては珍しく
態度に出てしまっていた
後日
話をしたとき
相手は謝ってきた
その表情と目の奥から
口にしている理由が
「嘘」だと
すぐに分かった
このときのわたしは
落ち着きを取り戻していた
相手の焦りを
「感じ取って」
飲み込んだ
わたしは
「怒り」を見せていた
ぶつけ合うような
近しい関係じゃない
それでもわたしは
見せていた
あれは
わたしが「本気で」
相手と向き合おうとした瞬間だった
この人は
わたしと向き合える人だと
無意識に分かっていた
だから
ためらうことなく
ぶつけることができた
相手の態度は
わたしを「適当に」扱ったように
見えたけれど
相手は
わたしをちゃんと
「見て」くれていた
それが
あの謝罪だった
あれがあったから
わたしの中に
「なかったことにされなかった」という
感覚が残った
相手の本音ではないし
わたしが納得できる形でもなかった
けれど
「謝った」という
事実があった
わたしは逃げずに
正面から怒りを示し
この関係を続けることを選んだ
相手は自分を隠しながらも
逃げずにわたしと向き合った
はじめて
ぶつかり合った瞬間だった

