「小さなふつう」

何も

望んでいないつもりだった

何も

求めていない

本当に

でも

少しだけ

苦しくなってきた

どうしてだろう

何も

望んでいないのに

「本当に?」

違ったのかな

「何も望んでないの?」

そう思ってた

そのときは

「今は?」

少し

あるのかも

「どんなこと?」

普通のこと

人として

普通のこと

「たとえば?」

無視を

しないでほしい

ただ

話せるように

なりたい

ひととして

普通に

言葉を交わせるように

なりたい

本当に

ただ

それだけなの

でも

こんな些細なことでも

わたしは

望んじゃいけないのかな

「どうしてそう思うの?」

だって

過去の記憶が

顔を出してくる

普通に

話せているひとたちが

いつも

羨ましかった

とても

まぶしかった

どうしたら

あんな風に

話せるんだろうって

深くしか

話せない

怖い

また

自分がいらないものに

なってしまう

だから

気づかなかったの

この小さな願いも

ワガママなんだって

思っていたから

でも

違うんだよね

「そうだね」

「些細なこと」

じゃない

だって

わたしの

大切な願いだもん

ごめんね

また

声を聞かないで

否定しようとしていた

「よく、気付けたね」

もう

嘘つかないよ

「話せるようになりたいな」

それが

わたしの望みなんだ

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