「恋の原石」

わたしたちが

スタートラインに立ってからは

休む暇もなかった

短い時間の中で

こんなにも激しく

大変革が起こった

夢みたいな話だけど

夢じゃない

自分から目を背けずに

一つ一つ向き合い

ひたすら動き続けて

ここまで来た

自信も

生きる気力も無くしていた

わたしが

あそこにいた

いまのわたしは

自分を取り戻して

顔を上げて

まっすぐ前を向いて

立っている

決して

楽ではなかったけれど

あの苦しさがあったから

わたしはいま

輝くことができている

自分で自分を美しいと思える

自分がいる

これも

あなたとの

静かだけど苦しいあの時間が

わたしを磨いてくれた

お互い未熟だった

傷ついて

傷つけて

そうやって

切磋琢磨してきた

過去のわたしたちでは

一緒に歩くことはできない

でも

これまでのわたしのことも

あなたのことも

拒絶したりしない

過去は原石となって

苦くて美しい思い出の中に

残り続ける

未熟なあなただったから

あの頃のわたしは惹かれた

そして

こんなにもわたしは

変わることができた

苦しくても

ここまで走ることができた

もしも出会ったのが

出来上がったあなただったら

いまのわたしは

きっと

ここにはいない

あなたと出会えたから

いまのわたしがいる

ほかの誰でもない

あなただったから

わたしは

本当の自分に出会うことができた

あなたがいなかったら

ここまで自分の本音と

向き合っていなかったかもしれない

作品に

ここまで正直に

なれなかったかもしれない

18年ぶりに

舞台に立つ覚悟も深まらず

ピアノを好きな気持ちを

認めることだって

まだ

できていなかったかもしれない

あなたの存在が

わたしという存在に

気づかせてくれた

わたしはここにいていい

何も諦めず

自分を生きていい

誰かを愛し

誰かに愛されていい

わたしは

その価値がある人間なんだって

初めて

思うことができた

あなたの笑顔は

わたしの心を

温かくしてくれる

あなたの声や空気が

わたしの感性の世界を

広げていってくれる

あなたの存在が

わたしを安心で

満たしてくれる

あなたと出会ってから

修行のような日々だった

でも

あの一瞬一瞬が

「生きてる」と感じさせてくれた

乾ききっていた

わたしの心を

少しずつ満たしてくれた

出会わなければよかったなんて

一度も思ったことない

あなたと過ごした時間が

幸せのかたちを

わたしに教えてくれた

あなたと出会えて

いまのわたしは

本当に幸せ

心から

ありがとう

わたしには

もう過去のあなたの姿は

見えなくなっている

あの頃のあなたは

もう

そこにはいない

見えるのは

黒くて

見据えた目をした

武士の姿のあなた

まだ

姿を見ていないのに

わたしの中のあなたは

姿を変えている

特別なことは

望んでいない

ただ

何気ない時間を重ねて

もっと知り合って

自然に笑い合い

安心できる場所を築きたい

過去のあなたでも

未来のあなたでもなく

今のあなたに

わたしは出会いたい

何も持たない

一人の女の子に戻って

そのあなたに

ときめきたい

そして

新しく

ここから

恋を始めませんか?

まだ原石のままの

わたしたちで

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