夫に毅然と線を引いたあと
内側に変化があった
緊張なのか
焦りなのか
何かが迫ってくる感覚
いまから
何かが起こりそうな予感があった
少し胸が締め付けられて
苦しかった
高揚感
気持ちが昂る
深呼吸をして
落ち着けようとしたけど
次の日もまだ続いていた
「勘違いじゃない」
これは外で何かが起こる予感じゃない
自分の中から湧き上がっているものだ
いつも
音が鳴っていた
それが
自分のフェーズが変わる合図だった
そのことに気づくと
冷静になれた
次へ進む
きっと夫とのことに
区切りがついたから
その波がやってきた
でも
自然と移らずに
こうして一度
立ち止まっている
なにか
忘れていることがあるのだろうか
相手の顔が
浮かんできた
まだ
わたしの空白の時間は続いていた
ここに
答えを出すときがきた
わたしは
どうしたいのか
すると
自分の中から
能動的な感覚が出てきた
「動きたい」
ずっと
自分の気持ちに正直に動いてきた
でも
直接、言葉で伝えたことは
まだなかった
過去のわたしでは
ありえないことだった
自分の思いを形にすることに
あまり抵抗がないから
一気に出すことができる
見返りは求めていない
だから
自己完結に近い
まるで
湧き上がるエネルギーで
ひとつの作品を完成させるように
言葉を置くことが多かった
今回も
それと似ている部分はあった
自分の中にある
この気持ちを
ちゃんと伝えたい
返事がなくても
伝えることができれば
それでいい
やろうとしていることは
同じだけれど
少し違っていた
わたしの心は
穏やかだった
前に進みたい感覚はある
でも不安や焦りはない
衝動とはちがう
突然出てきたのではなく
ずっと、そこにあった
でも、見えにくかった
周りを取り巻くものが
ひとつずつ
なくなって
いま、ようやく
直接姿を見れるようになった
「好き」

わたしの素直な気持ち
ありのままの形で
ただ伝えたい
わたしは
気づけば
また境界線の上にいた
境界線は
迷うための場所じゃない
方向は見えている
あとわずかで
完全に定まる
その手前
一歩を踏み出すために
一度留まる場所
でも
もう戻らない
だから
わたしの答えは決まっていた
相手の返事がどうであっても
わたしは止まらない
前にすすむ
それなのに
相手からもらった言葉に
すっきりしない自分がいた
どんな言葉でも
どんな状況になっても
自分は崩れないと思っていた
崩れてはいないけれど
なぜか涙が止まらない
拒絶されたわけじゃない
肯定でもない
でも
関係は切れない
わたしの中に
「曖昧」の文字が浮かんできた
区切りをつけないと
前に進めないわたしにとって
苦しい結果だった
わたしは
表面的な
軽い会話が得意じゃない
自分の夢や
好きなものの話は
深くなってしまう
色々なところに飛躍して
つなげて話をするから、
その範囲に留まらない
好きなことの話は
わたしの本質の部分と直結している
ひとつのまとまりになっているから、
区切って話をすることができない
だから
線が見えていると
言葉が出ない
自分を見せられない
線があるのに
関係だけ継続する
それでは
今までと同じじゃないか
相手の言葉は理解できた
でも、その矛盾は
理解できなかった
このまま
これまでのように続けると
わたしは苦しくなる
だから
わたしはいま
涙を流しているのだろうか
自分の涙の意味が
わからなかった
これまでのような
安心の涙とは違っていた
痛みがある
初めて
相手から離れたあのときに
似ていた
あれほどの
強烈なものではないけれど
「質」が似ていた
なぜだろう
わたしは
離れてしまうのだろうか
そうするしかないのか
また
この問いの前に
立っていた

