「容姿のことを
ほめてこない子は
初めてだ」
この言葉を
何度も
聞かされた
相手の中で
唯一
自信を持っていたのが
自分の
「外見」だった
だから
いつもわたしに
自分をほめる言葉を
促してくる
なぜなら
過去の女性たちが
みんな
そうだったから
相手にとって
それが
自分の価値を
確認する方法だった
それが
わたしには
当てはまらなかった
たとえ
言いなりに
なっていたとしても
「言葉」だけは
無理だった
わたしにとって
人の魅力を
感じる部分は
外見じゃ
なかった
ましてや
強要されてなんて
とんでもない
そもそも
「外見が好き」
と言われて
何で
嬉しいのかが
わたしには
理解できなかった
ただ
この歳になって
ようやく
それが
男性にとっての
承認だったのだと
分かった
でも
当時のわたしは
話を黙って
聞いたり
どんな時でも
機嫌よくいることは
できたけど
嘘の言葉
だけは
与えることが
できなかった
わたしが
感じている
相手の魅力を
伝えたけれど
全然
響いていないようだった
だからわたしは
相手の承認欲求を
満たしてあげることが
できなかった

