扉は
最初からそこにあった
わたしたちは
その前で
ずっと向き合っていた
片方は
「まだ自分の覚悟が足りない」と思い
もう片方は
「まだ相手の準備ができていない」と思う
でも
足りなかったのは
覚悟じゃない
扉があることに
気づくことだった
「まだ準備が足りない」
そう思い込むと
目の前の景色が
見えなくなる
相手は
扉がないと思っていた
わたしは
扉の存在を示していたつもりだった
けれど
明確な位置は
示せていなかった
だから相手は
距離は近いのに
入り口が分からなかった
お互い
動いていなかったのではなく
入り口として見ていた場所が
違っていた
でも実際には
二人とも
扉の前にいた
扉を扉として
見れていなかった
扉は
ずっとそこにあったのに
ほんの少しの
見え方の違い
それに気づくと
景色が変わる

