「分かれ道」

おそらく

わたしの卒業を待っていた

わたしが

社会人になれば

現実で

話を進めることが

できるから

あるときから

わたしは

自分のことを

話さなくなっていた

相手の話は

わたしありきだった

でもわたしは

自分の人生の中に

相手は存在していなかった

それはきっと

ただの一度も

「自分の人生は

 自分のもの」

そこだけは

譲れなかった

だから

相談も

報告もせずに

演出家助手の募集に

応募していた

ある人が

わたしに言った

「本気になって熱くなりなさい」

「もっとがむしゃらに

 必死になりなさい」

厳しくもあった

その言葉が

わたしの中に

強く響いていた

いつからか

相手といるときの自分と

いないときの自分

二人の自分が

存在するようになっていた

二重人格なのかと

思うくらい

見事に切り替えていた

私の視線の先には

相手との結婚は

存在していなかった

だからわたしは

「就職をしない」

選択をした

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