「解放の涙」

あの短い時間の中で

何度も何度も

考えた

それでも

わたしたちは交わらなかった

なぜ

はっきりと突き放してくれないのか

無視されたいわけじゃない

でもその方が

「拒否」なのだと

わかりやすい

明確な言葉がなく

わたしは困惑していた

いまの自分の状態で

言葉は出せない

それは確かだった

もしかしたら

もう言葉を交わすことは

ないかもしれない

けれど関係を「つなぐ」ために

言葉を出すことはできなかった

わたしは

相手にさよならをした

胸が激しく痛んだ

過去の

相手との記憶が蘇ってくる

そのたびに

涙がさらに

溢れてくる

でも

この痛みを止めてはいけない

そう思った

すごく苦しい

それでも

わたしはこの痛みを

すべて「感じきる」

そう決めていた

力を抜いて

激しく押し寄せる感情の波を

正面から受け止めた

ひとつ残らず

自分の中を通していった

一度過去に

経験しているから

時間は長くかからなかった

目と顔は

腫れてしまったけれど

波が落ち着いても

ふとしたときに

またやってきた

やっぱり

胸は痛む

痛いということは

わたしは

相手とのことを終わりにしたのだろうか

自分でも

わからなかった

でも確かに

「さよなら」をした

少し時間が経って

自分に起きている変化に気づいた

身体が軽い

これまでも

重たかったわけじゃないけど

いまは内側から

何かが溢れてくる感覚があった

何かが外れて

その奥にあったものが

外に出てきている

自分の光が

解放されている

わたしは

相手との未来を手放していた

ずっと握っていた

二人の未来

それが

私の中からなくなっていた

あのたくさんの涙は

解放の涙だった

気持ちも

関係も

確かにあった

でも

その形では進めないことも分かった

これは

否定ではなく

完了の涙

だから

苦しいけれど

納得している

自分の中で

相手とのことが

重たくなっていたことにも

気づいた

「相手が」ではなく

「関係のズレ」が積み重なっていた

思うように本音が通らない

でも関係は切れない

これが続いて

少し重くなっていた

だから

悲しいけど

軽い

無理に切ったわけじゃない

忘れようともしていない

この関係の

答えが見えなかったから

ずっと終われなかった

だから

自分で動いて

見えるところまで見た

前に進みたいから

区切りをつけたかった

相手に終わらせてもらうのを

待つのではなく

自分で決めて動いた

自分の中の未完了を

終わらせた

どこかでずっと

相手と重なる可能性を残していた

でも

いまはもう

自分でできるようになった

相手に預けていた

わたしの一部を

回収した

自分の人生の主導権を

ぜんぶ自分に戻した

握っていたものを

手放すと

余白ができた

新しいものが入ってくる

新しいスペース

風が通り抜ける

視界が広がる

自分の可能性が

一気に広がった気がした

無意識にかけていた制限が

なくなった

すると

表に出てこれなかった

自分の願望が前に出てきた

以前は

無謀な夢のように思えていた

けれどいまは

「夢」ではなく

「目標」に変わっていた

可能性に終わりはない

自分を縛るものがなくなると

どこまでも広げていける

わたしは

いま

完全に自由になっていた

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