心の温度が
ふっと消えて
気持ちが
どこを向いているのか
わからなくなっていた
少しだけ
空白があった
ふと
わたしたちの
これまでを思い返した
気持ちがあるのは
見えるのに
どうして
距離を崩さないんだろう
最初は
自分の立場が
壊れるのが怖くて
強くブレーキを
踏んでいるんだろうと
思っていた
でも
すこしずつ
もしかしたら
そうじゃないのかもしれないと
思うようになった
わたしは
大切にしたいもの
手に入れたいものほど
迷わず動いて
近づく
でも
あなたは
慎重だから
「動かないことで
関係を守っている」
いつの時からか
そう思うようになっていた
それは
弱さや
臆病さが
勝ったのではなくて
「本気」だから
壊したくなかった
わたしから見ると
それは曖昧で
中途半端な行為に
感じるけど
あなたも
わたしと同じで
この関係を
「失いたくなかった」
だから
軽く扱えなかった
静止することが
あなたの
誠実さの形だった
だって
あなたがもし
本気じゃなかったとしたら
きっと
逃げていたはずだから
けれどわたしは
あなたが「逃げている」と
思ったことは
一度もない
わたしが
本気だったから
あなたは
逃げきれなかったんだと思う
でも受け止める覚悟も
まだ怖くて
だから
止まるしかなかった
このことも
ずっと理解している
つもりだった
ここにきて
体感として
お互いの
本気の出し方の違いが
見えた
わたしは動く本気を
あなたは止まる本気を
そのあいだに生まれた
「曖昧さ」
でもその奥には
本気同士の関係があった
向かう本気と
止まる本気
本気の形は
必ずしも同じ動きでは
現れない
その微妙なズレが
曖昧さを生んだ
わたしたちの
想いの大きさは
同じだった
ずっと
対等だった

ためらいなく
動いていけるわたしは
確かに
強いのかもしれない
でも
それは
あなたも同じ
あなたは
弱くなんかない
わたしは
出会ったときから
あなたの中にある
「強さ」を
ずっと見てきた
「動かない」ことは
動くことよりも
エネルギーがいる
自分の中に
生まれている圧を
ひたすら抑えて
耐え続ける
内側の消耗が
激しいに違いない
それなのに
逃げずに
ここまで来た
その忍耐力と
精神力を
「強さ」と言わずに
何というのか
あなたは
正面から自分と
向き合うことは
できなかったかもしれない
でもわたしのような
外傷はなくても
内側には傷があるはず
今どきでは
ないかもしれないけど
「黙って耐える男気」
そんな雰囲気
だからわたしは
あなたの中に
武士の姿を
見たのだと思う
自分の本音からも
わたしの本気からも
あなたは
一度たりとも
逃げなかった
そして
いまはもう
正面から
向き合っているはず
ただやっぱり
本気は外に出さないと
存在できない
内側で持ち続けている
そのエネルギーは
いずれ限界がきて
溢れ出る
だってあなたは
小さい器に収まるような
人じゃないもの
自分の意思で
もっと自由に
大きく動ける
ここまで一緒に走ってきた
自分自身を信じて
もう
自分で自分を傷つけるのは
おしまい
耐えることで
見えない傷を
作るよりも
どうせなら
体当たりして
擦り傷を作ったらいい
わたしは
新しい世界ではなく
いまある
慣れ親しんだ世界の中で
あなたが
自分の覚悟を
形にする姿を見たい
あなたの
内にある「本気」が
どんな形をしているのか
それが
見てみたい
きっとわたしの形とは
違うだろうから
それも楽しみ
わたしは
あなたのそばにいる
だから完璧じゃなくていい
形だって
崩れていていい
その真ん中に
あなたの強い意思が
あるのなら
それがすべて
それ以外は
いらない
わたしは
あなたのそばにいるけど
あなたのペースに
合わせるわけじゃない
わたしにも
ペースがあるから
だから
タイミングは大切
でも
あなたなら
そのタイミングを
間違えない
強い人は
全く揺れない人のこと
じゃない
迷いも
焦りも
不安も
全部持っている
でも逃げずに
一緒に在り続けられる人
「逃げない強さ」と
「愛を受け入れる強さ」
あなたは両方
持っている
あなたは
きっと「強い人」
わたしたちに
あの苦しい痛みは
もう必要ない
「幸せになる」
ふたりで
だから
自信を持って
そのエネルギーで
自分を傷つけるのではなく
外の世界に向けて
強く放てばいい
それは
強くて優しい光になる
あなたの優しさを
受け取った人は
きっと
幸せな気持ちになる
もちろんわたしも
そして
あなたも満たされる
あなたの色
あなたの形
そのすべてが
わたしは
あなたのその光を
見てみたい

