一本の道が
わたしの前に見えてきた
少しずつ
整って
形になってきている
この道は
わたしが進むものじゃない
この道の向こうから
こちらへ
「向かって」来る
わたしが先に
この道を通ってきた
そのあと
相手が反対側から
同じ道を通ってきた
わたしは
深さを掘ってきた
それは
手当たり次第
当てずっぽうで
掘ってきたわけじゃない
広い地面のどこを掘れば
出口につながるのか
わたしには
「道しるべ」があった
暗闇の中に見える
小さな光
相手は
わたしが
道に迷わないように
形を変えながら
その光を
置いていってくれた
それは
「道しるべ」と
見て分かるようなものじゃない
自分自身と向き合わないと
決して見ることができない
暗号のようなもの
わたしは
その暗号を
ひとつずつ
丁寧に読み解きながら
深く
深く
掘り下げていった
ある地点まで来ると
今度は相手が
道の反対側から
歩き始める
そこは
一度わたしが通っているから
道には迷わない
でも
まだ
「道」にはなっていない
だから相手は
深さを掘るのではなく
見えている
表面の部分
そこを整えていく
道を築いている
余計なものを取り除き
必要なものを動かす
そうやって
実際に動かしながら
自分が進む道を作っていく
先にわたしは
相手がその道を
「自分の道」にできるよう
土台を作った
その土台の上を
相手は自分で整えながら
力強く
一気に駆け抜けていく
段階ごとに
変化していくその姿を
はじめから
この目で見ることができて
わたしは
とても幸せ者だなと
つくづく感じる
わたしは
地上を歩くわけじゃないから
現実を動かしながら
進んでいる相手より
いつも早めに
到着しているように感じていた
でも
わたしは
やり残したことはないか
忘れ物はないか
到着してから
最後の確認をする
わたしは
一気に底まで潜って
そこで
一旦立ち止まる
調整をするために
相手は
一気には進めない
ひとつずつ
確実に処理して
安全を確認してから
前に進む
そのぶん
止まることも
戻ることもない
違う方法で
反対方向から
ひとつの目的地に向かう
二つの動きが
次第に
重なり合ってくる
外側だけ見ていると
時差があるように見えるけど
内側の動きは
ずっと合っていた
わたしが
到着地で
最後の確認をしている今
もう
道が見えている
きっと
わたしが顔を上げるタイミングと
相手がここに到着するタイミング
ぴたりと
重なる瞬間
それが
新しいわたしたち同士が出会う
「再会」のとき

