いつもの光景
それを見たくないと
思った自分がいた
理由は
分からないけど
嫌だからでも
苦しいからでもなくて
「今」だけ
見たくない
なぜか
そう思った
その
わたしの願いが
届いたのだろうか
わたしの目の前には
いつもの光景がなかった
それだけじゃなくて
わたし自身にも
ノイズが少なかった
自分の世界に
こもりたいわけじゃないけど
できれば
そのままの静けさで
いたかった
その光景がなかったことで
安心した自分がいた
姿はないのに
ホッとした
あったのは
「気配」だけ
それが
わたしの中にある
「何か」が
守られたような
感覚になっていた
一体何を?
それは
わたし自身
自分の中にある
気持ちを
「受け入れたわたし自身」
それを
持ったまま
立っているわたし
気持ちの存在も
自分の中に入れることも
まだ
認めたばかり
だから
とても
純度が高い状態
高揚感や
緊張感のような
いまにも溢れそうな
切羽詰まった感じは
全くない
どちらかというと
ぴったり
満タンの状態
きっと
すべてが整って
いまが
一番
きれいな形をしている
自分の在り方も
自分の想いも
自分が求めている形も
全部が
完璧な状態で
揃っている
これを
壊したくなかった
いま
自分の中で始まっている
この流れを
止められたくなかった
いつもの光景は
境界を
はっきり感じさせる
交われない構造が
鮮明になる
いまは
その分断を
感じたくなかった
この静かな流れが
わたしの中で
美しく保たれている形
これは
永遠にあるものじゃないから
存在は無くならないけど
この形は変わっていく
だから
雑に扱いたくない
優しく丁寧に触れたい
それくらい繊細で
壊れやすいもの
だからこそ
貴重で
美しい
この状態は
わたしの
これまでの道のりと
努力の結晶
ずっと
諦めないで
自分と向き合ってきた
結果
それが
いま
わたしの中にある
わたしの視線には
そのすべてが
乗ってしまう
だから
その時が来るまで
誰にも
何にも
触れさせたくない
邪魔をされたくない
そんな思いが
わたしの中で
生まれていた
ぴたりと揃う
その瞬間まで

