「鏡の向こう」

「ずっと求めていたものが

 そこにある」

確信に近い

直感があった

自分の中で

忘れていないけれど

忘れていたもの

それが

呼び起された感覚

そのときの自分では

理解の枠を

超えていた

戸惑って

かなり悩んだ

でも

確かに

感じている

それは

全く整理されていない

混沌とした中だったからこそ

見つけられたのかもしれない

身動きが取れない

無謀かもしれない

でも

心の中では

迷いはなかった

きっともう

二度と同じことは

できないと思う

過去に戻って

もう一度どうぞと

言われても

躊躇してしまう

それくらい

自分を見失わないようにするのに

必死だった

「もうすぐ掴める」

自分が

ずっと求め続けて

でも手に入らなくて

諦めかけていたもの

何度も悔しさで

涙を流した

その存在の輪郭が

見え始めていた

「自分の人生が動き出す」

その予感があった

制限された

世界の中で

自分から

風を起こすことは

とても

怖かった

わたしにも

背負っているもの

抱えているものがある

表面は

平静を装っていたけれど

内面は

激しく吹き荒れていた

でも

外側からどう見られようと

関係なかった

そこを気にして

動かない選択をする方が

ありえなかった

「いま人生をかけて

 動かないといけない」

必死すぎて

見苦しかったかもしれない

滑稽な姿だったかもしれない

気にならなかった

わけではないけれど

そんなことは

どうでもよかった

笑いたければ

笑えばいい

だって

わたしの人生を引き受けるのは

その人たちではない

わたしの相手は

ほかの誰かじゃない

自分自身

ただ一人

醜態をさらすことを

気にしていたら

絶対に勝てない

だから

自分から

目を逸らしちゃいけない

この

逃げ出したくなる状況も

用意された戦いの舞台

必死になるべき時

それは

待ちに待った瞬間だった

いま

わたしの目の前には

静かな景色が

広がっている

これから

わたしが生きていく世界

ずっと求めていたものは

わたしを映す鏡だった

もうわたしは

その鏡を

必要としなくても

大丈夫な場所まで

来ることができた

ずっと願い続けていた

この場所に

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