「交差した先に」

自分の中に

小さな引っかかりがあった

本当に

とても小さな

気にも留めないような

それくらい

小さくて

薄いもの

自分の中に

もう隠しているものはない

だからこそ感じられた

違和感

最初は

自分を守るためだった

自分自身と

真正面から

真剣勝負をするために

その選択をした

でも次第に

その選択は

自分以外のものを

守ろうとしていた

それが

正解だと思っていた

でもそれは

優しさの形をした

介入だった

守っているつもり

待っているつもり

見守っているつもり

そうやって

安心の場所を

つくろうとしていた

でも実際は

自分がその位置にいることで

安心していた

役割を手放す自分に

まだ恐れを抱えていたから

誰かの近くにいることで

和らいでいた不安

それを

もう人質にしないということ

それは

冷たさでも

距離でもなく

対等さ

ひとつの選択から

いくつもの役割が

生まれていた

何度も

目の前で交差して

入れ替わっていた

ただ

これは行為ではなく

意識の置き所の話

誰かの成長ではなく

位置の変化だった

自分の意識を

ひとつずつ

元に戻していくと

重なり合ったその中に

違う方向を

向いているものがあった

それが

見えてしまっただけのこと

それは

誰かを信じた結果ではなく

自分に戻った

結果だった

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