「Home ―オレンジブラウンの鍵―」

あの日見た

夜の景色は

黒ではなく

オレンジブラウンだった

その色は

ちょうど一年前の夏

わたしが選んだ

キーチャームの色

鍵は

いつもそばにあるもの

でも

合う扉にしか

使えない

鍵は

扉をひらくためだけの

ものではなく

帰る場所を

忘れないためのもの

あの夏の記憶

あそこから

きっと始まった

オレンジブラウンのノスタルジー

今も続いている

その色は

同じ時間を重ねながら

いつのまにか

わたしたちだけの色になっていた

季節が巡って

桜が咲くころ

色違いのキーチャームが

わたしの元にやってきた

淡いオレンジと薄紫

わたしの世界

わたしが羽をひらく色

あの夏の色は

わたしのアトリエの色へと繋がった

言葉での

約束はしていない

でも

ずっと離れなかった

それは

これからも変わらない

オレンジブラウンの鍵

わたしが

羽を休めることのできる

世界で

たった一つの

わたしの帰る場所

それは

わたしたちが帰る場所

あの日の景色の続き

ふたりで

「ただいま」と言える

その時を

今も待っている

Illustration & Words

Atelier soe

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