「ある日のできごと」

その人とは

ある日突然

関係が変わってしまった

本当に

些細なことから

なぜ

こんなことに

なってしまったのか

わたしは

理解が追いつかなかった

わたしが

いけなかったのだろうか

何度も思い返して

考えてみたけれど

分からなかった

ただ

そのときに

その人から言われた言葉が

わたしを突き刺した

よくある

ただの言葉

考えすぎなのかもしれない

「そういう人だから」と

納得すべきなのかもしれない

でも

わたしの胸は

とても痛んでいた

あの日まで普通だったのに

あの日から変わってしまった

ぎこちない空気が

流れ始めた

離れることになれば

ここまでの縁だったのだと

納得できるはずだった

でも

少しずつ

違う空気が流れだした

「そんなことを

 する人じゃない」

無視されるようになっても

わたしは

その人を正当化する理由を

探していた

「きっと気に障ることを

 言ってしまったんだ」

「わたしが間違えたんだ」

そうやって

自分に非があると

決めつけていた

ひとのことを

悪く思いたくなかった

誰かの

悪口を言っている人の顔は

とても醜い

そんな自分に

なりたくなかった

綺麗ごとだと

言われたとしても

これは

いまでも変わらない

私の中にある

信条のひとつ

嫌な思いをするくらいなら

こちらから

離れたらいい

それで

済む話だ

でも

なぜかできない

自分の中で

納得できない何かが

ある

長い付き合いではないけれど

いろいろ

話をする関係だった

その人に

少し幼い部分があることは

感じていた

けれど

その人のことを

少しでも知ってしまったから

目には目を

歯には歯をのように

無視や敵意を

そのまま返すような形は

嫌だった

そのときのわたしは

答えを出せなかった

一旦

保留にすることにした

そして

無視をされても

敵意を向けられても

わたしは

これまでと同じように接することに

決めた

すべてを

納得してるわけじゃない

まだ答えは出ていない

それでも

同じ形で返すより

私の心は

納得していた

もう中学生じゃない

大人なのだから

人として

社会人として

どう在るのが正解なのか

そのときのわたしが

出した答えだった

そこから二年ほど

答えは出ないまま

ときどき

同じ場所に立ち戻っては

腑に落ちない自分に

問いかけていた

まさか

その人との関係が

あんな風に

展開していくことになるとは

そのときのわたしは

夢にも思っていなかった

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