「青い蝶―新章―」

新しい自分が

顔を出した瞬間

初めて出会う

感じがしたけれど

きっとそれは

「新しい」じゃなくて

「本来の自分」

これまで

出てこれなかった

自分の姿

対照的な

二つの存在があった

静かだけれど

重くはない

どっしりと構えている相手

ふわふわと

風のように動くわたし

相手の空気は

もう揺れている人のものじゃない

何かが決まって

動かない

そんな空気と静けさ

あの武士の空気が

わたしは

とても好きだ

だからわたしは

軽やかに

近づくことができた

防御も緊張も

感じられないから

警戒しなくていい

まるで

そこに美しく花開いている

大輪の花と

蜜を求めて

舞ってくる蝶のように

蝶は

自由に好きなところを舞うけれど

とまるのは

蜜のあるところ

美しくて

甘い蜜のある

安心して

羽を休められる花

そこにとまったり

一瞬だけ触れて去ったり

くるくると

動き回る

でもそこに

大輪の花がある限り

必ず戻ってくる

安心できる

場所だから

花が揺るがないほど

蝶は軽やかになる

自由になる

軽くなった自分を

感じている

すると

軽さの奥から

好奇心のかたまりのわたしが

顔をのぞかせた

高揚とか

浮ついているのとは

違う

綺麗なものや

楽しいことに

目を輝かせる

小さな女の子のように

ときめき

ワクワク

ドキドキ

子供の頃の自分に

戻った感覚

今日は

どんな冒険が

待っているのか

どんな新しい発見が

あるのか

考えただけで

胸が高鳴って

ウズウズする

これが

「素」のわたし

一瞬で

空想の世界へ

飛んでいける

現実にも

冒険を探しに行く

このわたしは

ずっと外に出すのを

抑えてきた

一人でいる時に

出てくることが多かった

これは

わたしの

本質の部分だから

外に全部出ると

目立ってしまう

そのことを

自分で分かっていたから

目立ちたくなくて

抑えて生きてきた

「目立つ」というと

マイナスに

聞こえるけれど

そうではなくて

「その場の空気を

 動かしてしまう」

これだったのだと

今ようやく分かった

きっとわたしは

自分で風を起こせる 

空気を変えるような

存在なのかもしれない

誰かが奏でる

音楽を聴いて

「わたしもあんな風に弾きたい」

楽曲だけでなく

「弾き方」に魅了される

自分も

その曲と

その弾き方を目指して

音楽と向き合う

自分の中で

音の世界が

広がっている

そして

その自分の音楽を

別の誰かが聴いて

「わたしも」と

感じてくれる

音楽の楽しさは

ここにあると

わたしは感じている

音楽や絵を通して

私という人間の

「在り方」を

表現していきたい

音楽の循環のように

何かを感じ

共鳴

共感し

また新しい

何かが生まれる

その美しい円環の

一部になれたら本望だ

過去のわたしは

周りの目を恐れて

自分を小さく

抑え込んでいた

これからは

出し惜しみせず

素の自分を

軽やかに出していく

その場に立つだけで

一瞬で

空気を変えてしまう

わたしの世界へ

惹き込んでしまう

そんな風を

起こせる人間になる

嵐のような激しさでも

熱くて触れられないほどの

炎でもない

赤い炎ではなく

青い炎が

わたしの内側で

静かに燃えている

わたしの

情熱の形

その青い情熱が

青い蝶となって

華麗に舞っていく

風に乗るのではなく

自分で羽を動かして

小さいけれど

目を惹く存在

鮮やかな色

可憐な動き

その空間に入った瞬間

「何か」を変える

そんな存在

静かだけれど

凛とした存在感

青い蝶となって

光の中を舞い続ける

大輪の花の空気に触れて

羽を休めながら

そしてまた

風の中へ舞っていく

目次