あの場所で
初めて
相手の姿を見た
一瞬の
出来事だった
かなり距離があった
顔なんて
はっきり分からない
相手の周りには
ほかにも
人がいたのに
わたしの目には
相手の横顔だけが
飛び込んできた
わたしも
一人でいたわけじゃないから
何が起こったのか
分からなかった
なぜか
分からないけれど
あの一瞬だけ見た横顔が
頭から離れない
表面には
出さないけれど
内心は
かなり混乱していた
「あの人にときめいたの?」
「あんな一瞬だけで?」
「この感覚は、何?」
ぐるぐると
言葉が頭の中を
駆け巡る
ときめきとは
少し違う
そんな
表面的なものじゃない
もっと深い
そんな気がした
ずっと探していたものに
触れた感覚
そのときは
分からなかったけれど
あれは
「やっと見つけた」
この感覚だった
ここから
時を経て
わたしたちは
再会する
最初に姿を見た
あの時から
わたしは
相手に会うことはなかった
だから
わたしの記憶から
その存在は
薄れていた
そのときに
2度目の衝撃がきた
あれが
わたしたちの
初めての出会いの瞬間
目が合った瞬間
相手の視線が
わたしの奥深くの何かを
突き刺した
耳元で
「バン!」
と衝撃音がした
よく
電気が走るとか
雷に打たれたとか
どれも
当てはまってしまう
下目遣いの相手と
見上げるわたし
一瞬
時間が止まった
わたしの呼吸も
止まっていた
瞬きが
できない
止まっているわたしの目の前を
相手が通り過ぎる
今度は
痛いくらいの
動悸
呼吸が浅い
周りの音が
耳に入ってこない
「何が起きた?」
このときのわたしは
相手と会ったのが
初めてではないことを
すっかり忘れていた
記憶が
すぐには繋がらなくて
混乱していた
緊張しているのか
手足の感覚がない
歩く足も
地面を踏んでいる感じがしなくて
何だか
浮ついている
「何?これ」
一体自分に
何が起こったのか
初めての体験すぎて
理解が追いつかなかった
一目ぼれとか
恋のときめきとか
そんな
可愛いものじゃない
それだけは
直感で分かっていた
もっと
強くて
深い
だから
わたしの中には
「怖さ」も
あのとき同時に
生まれていた

