“気持ちを
なかったことにする”
これは
わたしが持っている
かなり深い
根の部分にある癖
自分の欲求を
抑えることじゃなくて
自分の欲求を
素直に認めることが
苦手
耐えることは
いくらでもできる
でも
正直に
“欲しい”と
声に出すことはできない
わたしにとって
痛みや苦しみに
耐えることの方が
楽だから
何かを欲しいと思う
その気持ちは
無意識で
“よくないもの”
として選別されている
きっと
その判断が出た瞬間
透明化される
そして
何も感じない
“無”の棚に
収納される
洗練されすぎた
欲求の無効化
自然に
自動的に
行われている
だから
自分では気づかない
「わたし
何も感じてないよ?」
そんな顔をしている
怖いくらいに
これまでも
何度かあった
自分の身体の奥から
何かが出てくる感覚
奥から
何かを訴えているような
そんな瞬間
きっとこれは
わたしが自分を
取り戻す作業だった
そして
毎回出てくる言葉も
同じものだった
それが
また起きていた
わたしが
“無”を感じていた
あの時間
その奥では
もう一つの動きがあった
その時は
全く気付いていなかった
なぜ
後ろを向いたのか
別の理由で
納得していた
でも
時間の経過とともに
胸が
締め付けられるような
痛み
そんな息苦しさを
感じ始めていた
一瞬
その言葉が
頭をよぎった
でも
次の瞬間
「それは違う」と
否定している
自分がいた
意識を向けないように
ほかのことで
紛らわしていても
胸の苦しさは
増すばかり
なぜか
泣きそうになっている
自分がいる
「そんなはずない」
でも
この胸の痛みは
嘘じゃない
この感覚を
わたしは知っている
わたしは
自分の欲求を
相手にぶつける方向には
いかない
その代わり
無にして
処理することが
異様に上手い
気付かないふりをして
感じなかったことにして
勝手に完了させてしまう
それは
わたしの
強さでもあるけど
同時に
その気持ちを
“存在させない”ことで
整える癖でもある
おそらく
これは
わたしへの
最後のテストだった
自分の奥底にある
本音に
気付けるかどうか
“会いたい”
この気持ちを
ちゃんと
“会いたい”として
認められるか
認めても崩れず
価値を下げず
作品にして終わらせず
無に逃げないで
感情を持ったまま
立てるかどうか
毎回
出てくる言葉
それが
“会いたい”
この感情だった
どれだけ思考して
整えても
どれだけ創作で
昇華させても
わたしの
奥底の真実は
そこに残っていた
“恋しい”とか
“会いたい”とか
欲が出るのは
よくないことだと
線を引いていた
でも
それは勘違いだった
その気持ちが出るのは
欠乏じゃない
わたしが
“生身”に
戻ってきているからだった
自分自身を
取り戻したから
大切すぎるくらい
大切なものほど
わたしは
見えないところへ
隠そうとする
わたしの
反射
この胸の痛みは
隠されかけた想いが
浮上してきたサイン
その気持ちが
涙と一緒に
溢れてきた
あのとき
後ろを向いたのは
きっと
この感情が
溢れてきてしまうから
表面のわたしは
感じていなかったけど
わたしの身体と
無意識の底では
もう受け取っていた
だから
この欲求を
わたしは
ちゃんと認めてあげる
“会いたい”
わたしの
心からの
素直な気持ち

