「透明にされた存在」

わたしはなぜ

視線を向けられなかったのか

拒絶を

恐れていたのだろうか

自分の視線の奥を

よく見てみると

そこには

自分の姿があった

それは

過去のわたし

視線を向けていた頃の

わたしがいる

あの頃は

視線が合うことが

ほぼなかった

わたしの存在には

気づいている

でも

視線は合わせない

わたしは

それを拒絶とは

捉えていなかった

過去にも

似たような経験をしたことがある

だから慣れている

背中を向けられても

目を合わせてもらえなくても

拒絶されているわけじゃない

だから

大丈夫

そう

言い聞かせていた

いま見えてきたことは

その裏側では

深く傷ついていた

わたしがいた

理解は

していても

ほかの人たちは

自然に視界に入れるのに

わたしだけ

見てもらえない

自然に

接してもらえない

それが

いないものとして

扱われているようだった

わたしは

その人の世界で

存在させてもらえない

そのことが

わたしの中で

深い傷になっていた

なんでも

頭で理解して

飲み込んでしまうから

ここで

ひとりで泣いていた自分に

気づいてあげられなかった

自分の存在を

透明にされる恐怖

身体がそれを

覚えてしまっているから

動くことが

できなかった

わたしはようやく

あの頃

傷ついていた自分を

迎えに行くことができた

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