「パラドックスの真実」

移りゆく空を見ながら

限界を知った

感覚を研ぎ澄ませて

自分の中の「無」に

集中していた

何度も

意識が飛びそうになって

そのたびに

手を強く握りしめた

押し寄せる

睡魔と戦いながら

極限状態で

自分自身と戦っていた

だから

終わりが見えてきた

あの瞬間

どう受け入れていいのか

分からなかった

ただ

「もうこれ以上、頑張れない」

涙と共に

漏れ出た言葉

止まらない涙

一人で見る

目の前の景色を

深く

胸に刻んだ

でも

絶望ではない

それは

なぜか

涙のあとに残ったのは

深い安心感

すべてをやり切った

自分自身への信頼

そして

相手の

意志があった

わたしは

自分と相手を信じて

そこに立ち続けた

相手もまた

自分の衝動を

隠さなかった

二本の柱が

はじめて姿を現した

同じ強度で

向き合って立っている

そして

正面からぶつかり合った

その瞬間

カチッと音が鳴った

全てが

ひとつにハマった

現実は

何も動いていない

何も変わっていない

けれど

確実に変わった

踏みとどまったことが

一歩を踏み出すことになった

パラドックスのようだけれど

「怖れ」から

踏み出さないのではなく

「確固たる意志」で

踏み出さなかった

欲求を満たすのではなく

衝動を

意志に変えた

その意志は

覚悟の証

命がけで

すべてを出し切ったわたしと

命がけで

踏み出さなかった相手

二つの

本物の覚悟

すれ違ったようで

あの夜

わたしたちは

はじめて交差した

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