「新章 ―色の世界―」

ひとつずつ

はっきり

見えていなかったものたちが

形になって

現れ始めた

挑戦してみたいことが

次々に溢れてくる

それぞれの形は

違うけれど

全部つながっている

「わたしの在り方」

全部そこから

出てきているもの

未知の世界への

好奇心が

止まらない

未来は分からない

でも不安はない

言葉の波が

落ち着いて

あの

溢れ出るような言葉は

もう流れてきていない

代わりに

じわじわと

色が見え始めていた

色の質感

重なり方

光の加減

触れられそうな色が

わたしの中に

描かれている

ずっと探していた

アトリエの色

それは

わたし自身の色

真珠のように

内側から

滲み出るような光

内面にある

言葉になる前の存在

揺れ動いて

形になる前のもの

それが

わたしが

描きたいもの

病に苦しんで

暗闇の中にいたとき

一筋の光を見た

「音の光」

バッハの音楽に触れて

崇高な光に

胸が震えた

「色の光」

ウィリアム・ターナーの世界

あの空気と光に

一気に惹き込まれた

「空間の光」

去年の夏に

足を運んだ

安藤忠雄建築の光の設計に

衝撃を受けた

「質感・層の光」

美しい布やレース

繊細な刺繍が大好きだった

透け感

光の通り方

層の重なりに

惹かれていた

それぞれに

共通しているのは

「光」

どれかひとつではなく

すべてを合わせる

光と層と質感を

自分の方法で表現する

外側にある

光や空気ではなく

内側の層と光

これを

空間化する

「体験する絵」

これが

わたしの創る世界

絵を描くではなく

絵をつくる

この方が

しっくりくる

むかしから

色に惹かれていたのも

誰かの作品を見て

好きだと感じたのも

ぜんぶ

未来のわたしが

辿り着くものに

先に触れて

反応していたからだった

過去と未来が

綺麗に

ひとつに繋がった

目次