知らなかった
「読む」
ということに
深さがあるなんて
知らなかった
言葉を
交わさなくても
「つながり」が
できることを
知らなかった
「読む」のは
言葉だけではないことを
言葉は
分かりやすい
意味を持つ
だから
それが見えると
人は安心する
「こう言ってくれたから大丈夫」
「だから、きっとこうなんだ」
ひとつの言葉から
安心を得て
確認し
落とし込む
でも
言葉はときに
疑念も生む
いつしか
言葉が生んだ安心は
不安へと
変わっていく
そしてまた
確認したくなる
「あの言葉は本当?」
だから
知らなかった
言葉ではなく
存在することで
会話ができることを
表情を見て
声を聴いて
動きの音を聞いて
沈黙や間を
感じて
「言葉の奥にあるもの」
ときにそれは
言葉よりも
その人を
映し出しているかもしれない
知らなかった
言葉以外のかたちが
存在していたなんて
そしてそれが
見えない言葉に
輪郭を与えてくれることを

