「光の輪郭」

自分の光の輪郭を

見つけたわたしは

その世界に入ることを

目指した

何がきっかけだったかは

覚えていないけれど

あるとき

オペラの世界を知った

はじめて

その世界を目にしたとき

深い衝撃があった

舞台を構成している

すべてのものが

ひとつになっていた

その後ろには

太く

深く根差した柱が

そこにあった

積み重なった

確かな重み

圧倒的な

存在感

わたしの

クラシック音楽の認識が

変わった瞬間だった

目を閉じると

音の映像が流れてくる

色がある

音の感触がある

当時のわたしは

それをまだ

言語化できていない

ただ

強く何かを感じていた

胸の奥が

静かに高鳴る

自分の中の

奥を刺激してくる

突き動かされるように

音楽を聴き

本を読み込んだ

勉強したくて

仕方なかった

舞台の世界には

わたしの好きが

すべてある

数が多くて

一つに深く入れない

広く浅くなってしまう

それでも

舞台のことを知るたびに

満たされる感覚があった

ただ

完全には

埋まらない

なぜ

埋まらないのか

そのときは

分からなかった

この道で

合っているはず

舞台芸術をつくるすべてに

心が反応している

好奇心が止まらない

だから間違いじゃない

勢いよく

走り出したはずなのに

いつの頃からか

こんな風に

言い聞かせる自分がいた

ある一本の電話が

転機となった

舞台監督からの

初めての電話だった

どんな演目なのか

いつが本番なのか

何も分からない

来るか

来ないか

それを

聞かれていた

頭の中は

パニックだった

心臓の音が

うるさかった

だけど

迷っている時じゃない

震える手足を

必死に落ち着けて

冷静になろうとする

自分がいた

そして

覚悟を決めた

わたしは

そのまま指定された場所へと

向かった

わたしの求める光が

そこにあると

信じて

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