「青の世界―再会の丘―」

ずっと

記憶の中に残っている

その音楽の世界観

それが

心を一気に惹きつけた

何がそんなに

気になったのか

よく分かっていない

ただ

静かな衝撃があったことは

間違いなかった

次第にその曲の存在は

彼女の中から

薄れていく

でも反対に

何年経っても

大人になっても

消えなかったもの

あるビジョンが

彼女の中に残り続けていた

それが

あの音楽からきていたことを

彼女は覚えていない

淡く残る

一枚の絵と音

彼との距離が近づくにつれて

再び見え始めた

記憶をたどって

繋げようとする

すると

あるピースがはまった

彼が好きな音楽と

彼女が惹かれたあの音楽が

同じだったという

共通点

なぜだろう

何だか分からないけれど

呼ばれているような感覚

きっとこれは

あの音楽を知った時から

持っていた

懐かしいような

何かが待っているような

彼女のビジョンは

少しずつクリアになっていく

遠くの丘の上にある

一本の木

空には満月が

静かな光を放っている

幻想的な

青紫の世界

その丘の上にある

木のところへ

行かなければいけない

いつからか

そこを見つめている

自分の後ろ姿が

見えるようになっていた

行きたいけれど

行けなかった場所

きっと

その時を

ずっと待っていた

ひとりでは

行けないから

あの丘は

二人の再会の場所

美しい円が出来上がった

過去と未来が

綺麗につながる

彼は音楽を持って

彼女は絵を持って

お互いが

出会う時を待っていた

絵は

単体だと

平面の世界になる

でもそこに

音が加わると

一気に奥行きが広がる

臨場感と

躍動感が出る

音楽は

形をもたない

聴く人によって

形が変わる

そこに

絵が加わると

世界観が立ち上がる

目に入る色や形が

音の輪郭を

濃くする

誰かと

共有しやすい形に変わる

一人だからこそ

出せる輝きがある

でも二人でないと

出せない輝きもある

半円と半円が合わさって

一つの円を作るのではなく

綺麗な円と円が

ぴたりと重なり合う

完全な二人が

出会うからこそ

最大の相乗効果が

生まれる

平面が立体になり

目に見えない存在が

形をもつ

そうして

新しい世界が

かたちになる

それが

共創の世界

あの日

二人は

青の空間に立っていた

新しい二人

本来の二人

一人では向かえなかった

あの丘の上

あそこは

二人同時にでないと

たどり着けない場所

一緒に並んで

歩いていく

二人の約束の場所

再会の丘

青の世界へ

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