「ある日のできごと」

その人に言われた

何気ない言葉が

わたしを

深く突き刺した

あの日まで

普通だったのに

あの日から

変わってしまった

ぎこちない空気が

流れ始めた

その空気の中に

敵意のようなものを

感じるようになっていた

無視されるようになっても

自分に

原因があると

決めつけて

その人を

正当化する理由を

探していた

人のことを

悪く思いたくなかった

誰かの悪口を

言っている人の顔は

とても醜い

わたしは

そんな自分には

なりたくない

偽善者だと

言われたとしても

これは

今でも変わらない

わたしの中にある

信条のひとつ

嫌な思いを

するくらいなら

離れたらいい

でも

なぜかできない

自分の中で

納得できない

何かがある

その人のことを

少しでも

知ってしまったから

無視をされたら

無視で返す

敵意を向けられたら

敵意で返す

目には目を

歯には歯を

そんな形になるのが

嫌だった

そのときのわたしは

答えを出せなかった

そして

無視されても

敵意を向けられても

これまでと

同じように接することに

決めた

まだ

答えは出ていない

でも

同じやり方で

返すより

こちらの方が

わたしの心は

納得していた

もう中学生じゃない

いい大人なんだから

人として

社会人として

どう在るのが

正解なのか

そのときのわたしが

出した答えだった

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