出来事と解釈のあいだ
わたしたちは
目の前で起きた出来事を
そのまま
見ているとは限らない
たとえば
誰かから
返事が来ないとき
起きているのは
まだ返事がない
ということ
けれど
心の中では
「嫌われたのかもしれない」
「何か悪いことを言ったのかもしれない」
そんな思いが
生まれることがある
それは
返事がないという出来事から
自分が受け取った意味
不安や寂しさは
たしかにそこにある
けれど
相手がどう思っているかは
まだわからない
揺れに気づき
その奥を
見つめるようになると
起きたことと
自分がそこから受け取った意味を
少しずつ
分けて見られるようになる
感じたことを
なかったことにする必要はない
ただ
その感情が
語ることだけを
出来事のすべてと
決めなくていい
「嫌われた」という
ひとつの答えに
急いで
たどり着かなくてもいい
そうして
立ち止まれたとき
目の前の出来事は
ひとつの意味だけに
閉じられなくなる
相手を、自分とは別の人として見る
相手の言葉や態度に
心が揺れることがある
冷たい返事を受け取れば
傷つくこともある
けれど
相手の反応は
わたしという
人間の価値を
決めるものではない
相手には
相手の感じ方や
考え方がある
その内側で
何が起きているのか
こちらには
見えないことも多い
だからといって
傷ついたことを
我慢しなくていい
相手を理解しようとして
自分の痛みを
消す必要もない
自分が
何を感じたのかを知り
相手が実際に
何を言い
どう振る舞ったのかを見る
相手を
自分への評価としてだけ
見なくなると
その両方を
持ったまま
相手は相手として
自分は自分として
そこに
いることができる
そのとき
人とのあいだにも
これまでとは違う
余白が生まれる
別の選択肢が見えてくる
出来事と
解釈を分け
相手を
自分とは別の人として
見られると
「こうするしかない」と
思っていた場面にも
別の選択肢が
見えてくる
すぐに答えを出さず
確かめてみること
傷ついた気持ちを
言葉にして伝えること
今は距離を置くこと
これまでは
不安や痛みに押されて
ひとつの道しか
見えなかったのかもしれない
けれど
立ち止まって
見つめると
自分がどう感じたかを
大切にしながら
どう関わるかを
考えられる
まだ
どの道を選ぶかは
決まっていない
それでも
「これしかない」と
思っていた場所に
別の道もあると気づくこと
そこから
自分で選ぶための
余白が生まれる

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Atelier soe
