お別れをした
これまでずっと
自分がいた場所
この先も
その場所で生きていくのだと
思っていた
でも
自分の生き方を
見つけたら
その場所は
わたしの居場所ではないと知った
だから
そこから離れて生きる
そう
決めていたけれど
実際に
自分がそこにいない光景を
目にすると
現実味が増した
長い年月の中で
何度も目にしてきた光景
初めて
その場所に
入ったときから
毎年変わらず
同じように
けれど
わたしも周りも
日々変化している
人は成長し
状況も変わる
胸が少し
締め付けられた
これは
孤独を感じているのか
変わらない光景なのに
自分はもう
そこへは戻れない
だから
痛みじゃないけれど
ほんのり涙がにじむ
自分の胸の奥にある
一番柔らかい場所が
開き切っている
そこに咲いた
大きな花
花びらは
大きいけれど
ふわっとしていて
儚くて繊細
真ん中は柔らかくて
中から蜜が溢れそう
その花が
わたしの中に咲いた
だからいまは
とても敏感
少し触れただけで
涙が出そう
気づけば
わたしの周りには
誰もいなくなっていた
頼りにしていた人たちが
ゆっくりと
順番に離れていった
そして今日は
これまでいた
わたしの居場所も
ここを離れたら
孤独になる
けれど
静かにお別れをした
孤立していると感じると
寂しさが出てくる
寂しくなると
やっぱり
恋しい人に会いたくなる
その存在に
触れたくなる
でも
わたしの心は
渇いていない
寂しいけれど
孤独だけれど
心は満ちている
誰もいなくて
一人だけれど
温度を感じたいけれど
欲しくはない
今日は
たくさん泣いた
自分の柔らかい部分を
ぜんぶ開いたら
たっぷりの蜜を含んだ
綺麗な花が咲いた
だから
気持ちも身体も
少し重い
でも
苦しくはない
湿っている
寂しくて
しんみりもしている
でも周りには
細かい光の粒子が舞っている
寂しいのに
美しさもある
力は入っていない
何も握っていない
切ないのに
求めていない
動くのが億劫で
ただここで
深く身体を沈めたい
一番奥が
開き切ったら
頑張る力が
なくなってしまった
力が抜ける
ゆるゆるで
ふにゃふにゃで
そのまま
眠ってしまいたい
まるで
子供のように
わたしの中にはいま
小さな女の子がいる
自由気まま
自分に正直
何も隠さない
ここから動きたくない
何もしたくない
お腹が空いたら
蜜を飲んで
眠たくなったら
その場で眠る
歌いたくなったら
歌を歌い
甘えたくなったら
手を伸ばす
少しわがままな
甘えん坊な女の子
ふわふわのお布団の中で
幸せそうに眠っている
わたしの中に
咲いた花
役割も
居場所も
頑張る力も持たない
そのわたしだから
咲いた花
そこにいたのは
ありのままの
わたし
見た目は
繊細で大人っぽい
優雅な花
でも実は
甘えん坊で
愛らしい花
それは
わたしの中にいた
小さなお姫様だった

