「本能の純化」

自分の中にある衝動

本能と呼ばれるもの

大人になるにつれて

見えないところへ

隠されていく

たしかに

自分の欲望のままに

生きることとは

少し違う

それでは

世界で生きていくことは

できない

ただ

自分の中にある

強くて熱い

まっすぐに燃え続けている

その存在に

気付かずに

生きている人もいる

気付いていても

表に出すものではない存在として

認識している

これは

人間を形作っている

その人の

核の部分

自分の中心

自分そのものだ

だから

大人になると

隠してしまう

下手をしたら

自分が飲み込まれてしまうから

立場やプライドのような

守るものができると

ますます

その存在は怖くなる

自分の気持ちに

正直になったその先が

想像できなくて

自分を揺らす存在から

距離を置く

そうやって

本能に触れることから

自分を遠ざける

本能とは

濃縮された

欲のようなもの

けっして

きれいなものとは

言い難い

荒々しくて

力が強い

全力で制御しないと

たちまち暴れ出す

これが

衝動という形で

表に出てくると

欲しい

逃したくない

でも怖い

欲と恐れが

同時にあらわれる

だから

その状態は

未熟で

濁っていて

生々しく

とても危うい

未完成の火のような

そんな強い

圧がある

でもそれは

嘘がなく

隠すことができず

本性が出ている

自分の

素の姿

自分の本能が

むき出しになった姿は

人生という時間の中では

ほんの一瞬だけ

わずかな時間にしか

その姿を見せない

出会えることが

奇跡に近い

だからこそ

その姿は刹那的で

人間の

最も美しい姿

自分で選んで

自分で動いた

きっと

その瞬間に

「生きている」

心から

そう感じることができるはず

自分の中の

野性を認める

その体験をすると

人は変わる

一度は

その衝動を

解放する

出さないと

調整もできない

そして

本能が削ぎ落とされ

純化されたものが

意思へと

変化していく

圧ではなく意思へ

本能ではなく覚悟へ

欲ではなく向かうへ

暴れていた存在を

扱える存在へと

変えていく

だからといって

自分との戦いが

終わるわけではないけれど

ここも

泥から鍛錬へと

変わっていく

嵐の中を潜り抜けて

自分で舵を握る

まだ

輪郭は

固まりきっていない

でも

方向は見えつつある

そんな変化の途中

やがて

目的地が見えてくる

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