ここを”アトリエ”と呼んでいます。
教室という言葉より、この場所の質感に近いから。
といっても、むずかしい特別な場所ではありません。
ただ、音や色、心の揺れをそのまま受け取ることを大切にしています。
「うまく弾くこと」よりも、
「いま、どんな世界を感じているのか」に耳を澄ます場所。
子どもが自然に絵を描き始めるように、
言葉よりも先に音が動き出したり、
気配で世界を感じたり。
ピアノは技術を学ぶ道具でもあるけれど、
同時に”内側とつながるための入り口”にもなります。
小さくても、確かな光がふっと立ち上がる瞬間があって、
その光は誰のものとも違う。
自分の中にある、その光に気付くことができる場所。
「soe(ソエ)」という名前には、
特別な意味を当てていません。
ただ、音の響きに”寄り添う気配”を感じたことが始まりでした。
まっすぐ主張するのではなく、
そっとそばにあるもの。
押し付けるのではなく、
その子の感じている世界に静かに寄り添うもの。
このアトリエが、
そんな場所であってほしいという願いをこめて、
「soe」と名づけました。
だからここを、わたしはアトリエと呼んでいます。